綴れば綴る程に遠くて

主に思考記録です。

小説「出会いなおし」

森絵都さんの新刊の短編集。購入したその日は、森さんではない別の作家の本が欲しくて探していた。その時目にとまったのがこの本だった。この本、というよりも帯の言葉に惹かれ、わたしはこの本を購入した。帯にはこう書いていた。

 

年を重ねるということは、

おなじ相手に、何回も、

出会いなおすということだ。

 

この時わたしは奇跡を感じた。運命とも言えるかもしれない。この本は買うべき本で間違い無い、そう思ったわたしは棚から抜いてレジに向かった。何処に奇跡を、運命を感じたのか。わたしも同じようなことを思っていたからだ。昨年10月12日の日記にわたしはこう綴っている。

 

ふと、付き合いの長い人でも「はじめまして」をしたくなった。出会ったあの頃から変わっているであろうこと、わたしは知りたい。あなたを知りたい。

 

出会って別れるだけが人との出会いではない。何度も何度も、わたしたちは出会う。それは年月だったり、例えば結婚して妻になった友人、出産してお母さんになった妹など己の立ち位置が変わった人と。中学の部活の先輩後輩だったわたしたち。10年以上の付き合いは続き後輩も社会人になった。一緒にお酒を飲めるようになって新たな一面が見える。会わない間があって、わたしたちはまた互いの違う面を見ることが出来た。わたしたちは何度だって「はじめまして」と言える。「久しぶり」が「はじめまして」だって良いのだと思う。あなたと会うたび、あなたに出会い、あなたがわたしの中でより立体的になる。こういう解釈の仕方も良いものだなとわたしは素直に思うし言いたい。

 

相手を想う心、相手に向けた感謝の言葉。忘れられない、忘れようとも忘れられない人。忘れたくない人。気になって仕方のない人。人との出会いはこんなにもバラエティに富んでいて面白い。作品の中には相手を想う余り狂気を感じるところもあったが。人との出会いってなんて楽しいのだろう。化学反応だ。同じ人でも、冒頭に述べたように立場や年月が経てば、また違った化学反応を起こす。これだから人との出会いはやめられないのだ。人が人を求め生きる。人間やってて良かったなと思う1番の瞬間なのかもしれない。 

 

今迄の自分の人生を振り返って、今迄の出会いに想いを馳せて。

 

個人的に「ママ」と「むすびめ」が好きです。